美しき錆び達
こんばんは
今日は 「錆び」 についてお話しさせて頂きます。
「錆び」と聞くと一般的にあまり良いイメージではないと思います。
しかしひとつの模様としてよ~く見ると非常に奥の深い表情をしています。
また、個人的に重視しているのは、錆びは「着色」ではなく「変化」なんです。
つまり塗料といった外的なモノを乗せた表情ではなく、あくまで自らの一部が
変化していく様なんです。
そしてなによりもあの素材感。
方向としては間違いなく朽ちていく方へ向かっているにも関わらず、
そうなる前の状態よりも力強く、また、儚気な風合いは自らが鉄であることを‥
おっと‥ すいません、 熱が入ってきてしまったのでこの辺りで。
という事で今日はその錆びを自然に任せるのではなく、
色々な方法を使って誘発したらどうなるのか、というお話しです。
まず鉄に魔法を振りかけてしばらく寝かせます。
するとジワジワ~‥っと変化が…
少しずつ表情が変わってきましたね。
色々と細かな調整を施しながら時間を与えていくと、いい色になってきました。
そしてまだ更に調整と時間をかけていく事と‥
ジャジャ~ン!
どうですかこの堂々たる風合い。
そしてこれを店舗サインに応用したのがコチラ。
なかなか貫禄のあるサインですね。
ただ、このままだと錆がどんどん進行してしていまうので、
もう少し風合いが増すのを待ってからクリアで仕上げます。
こちらがクリア済みの状態。
クリア(透明)とはいえ色合いに影響は出ますね。
いいですねぇ。
かなりイイ感じです…。
ただ、
一応クリアの被膜が出来る事で鉄が酸素と触れなくなるのでこれ以上錆は進行
しないという理屈にはなりますが、かと言って絶対に進行しない保証はありません。
(まぁ厳密に言えばもう既に錆びてるんですが…)
あくまでこういったテイストがお好きで経年変化は起きて当たり前という方向けです。
何度かご紹介しているペイントエイジング はコントロールが出来ますし、実際には
錆びていないので将来的な錆び進行の心配もなく非常に実用的ですが、やはり
今回の様なリアルな本物の質感は理屈ぬきで魅力的ですね。
という事で今日は「美しき錆び」というテーマでご紹介させて頂きました。
それではまた。
■ 神戸の小さな鉄工所 ㈱ヤマナカ産業